1. 急速に頬をかすめる穏やかで湿った風

    急速に頬をかすめる穏やかで湿った風

  2. 意地悪な春風が、
そびえる二つの頂を
もいちど見せてはまた掻き消す。

    意地悪な春風が、
    そびえる二つの頂を
    もいちど見せてはまた掻き消す。

  3. 森が緑を取り戻し、
夏の遣いが現れて、
春の鏡に映るその姿。
気づけば季節は巡ってる。

    森が緑を取り戻し、
    夏の遣いが現れて、
    春の鏡に映るその姿。
    気づけば季節は巡ってる。

  4. あの柔かい霧が
そっと峰を隠して
会津盆地が目覚める。

    あの柔かい霧が
    そっと峰を隠して
    会津盆地が目覚める。

  5. 幼若な葉は光を捉えきれず眩しい。

    幼若な葉は光を捉えきれず眩しい。

  6. 幸せはきっと、小さな喜びのリーマン和。
帳に収束してく電柱に、
ふとそんなことを考えてゐる。

    幸せはきっと、小さな喜びのリーマン和。
    帳に収束してく電柱に、
    ふとそんなことを考えてゐる。

  7. ずらりずらり。
盆地に根ざす恵みの兆し。

    ずらりずらり。
    盆地に根ざす恵みの兆し。

  8. 春が映す遠い冬は、
今に写る近い昔。
飯豊の遣い、水練のこと。

    春が映す遠い冬は、
    今に写る近い昔。
    飯豊の遣い、水練のこと。

  9. 淡い淡い山肌に、
ぽつりぽつりと山桜。

    淡い淡い山肌に、
    ぽつりぽつりと山桜。

  10. 由緒正しい国鉄特急、容姿を革めその日も曇天を。

    由緒正しい国鉄特急、容姿を革めその日も曇天を。

  11. 俄かに新緑、
透過光も、
反射光も。

    俄かに新緑、
    透過光も、
    反射光も。

  12. やまあいに現れ手を伸ばす黄色、
届かないで溢れた眼に眩し。

    やまあいに現れ手を伸ばす黄色、
    届かないで溢れた眼に眩し。

  13. ゆびさきで
がたんごとん
切り撮る夕焼け
今とさよならのリズム

    ゆびさきで
    がたんごとん
    切り撮る夕焼け
    今とさよならのリズム

  14. 皐月が風に流れて空を彷徨う。

    皐月が風に流れて空を彷徨う。

  15. 森が緑に燃える。
立ち尽くす口に言葉はなく。

    森が緑に燃える。
    立ち尽くす口に言葉はなく。